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メンバー(卒業生)

石川善則(Ishikawa Yoshinori)

武田薬品工業株式会社 医薬研究本部 研究員
(平成21年3月 博士課程卒業)

研究室の思い出

私は博士課程にて発生分化解析分野にお世話になる以前、修士課程では、他のラボに在籍していました。移籍は二つの理由があり、研究テーマと環境二つの面を考えてこの研究室を選択しました。

研究室での初期の強烈な思い出は、進学が決定した後に、中山先生と話をさせていただいた際、「サイエンスの前では皆同列だから、私も石川君もライバルです」と突然宣言されたことです。学生一人という環境(当時は教授、助手、ポスドク、大学院生各1)でなら手厚い指導を受けられる、と甘く考えていた私にとっては、ラボに入る前から突き放されたようで、かなり衝撃的なメッセージでした。その後はその話を素直に解釈し(逆手にとって?)ミーティングやジャーナルクラブで生意気な発言を多々させていただくことになりました。自分の意見を表明して初めて、他の人からも意見をもらうことができますので、研究者としての基本を学ぶ時期にこのような環境を与えていただけた事はとても有意義だったと思います。

研究以外にも昔は人が少なくアットホームな雰囲気でしたので、中山先生、石田先生には人生、進路相談をよくさせていただきました。(結婚式の写真をミーティングで発表するのは今では難しいかも?!)実験の相談で教授室に入っていった後、ついつい話が脱線して長話になってしまったことも少なくありません。いつもネガティブに考えてしまう自分をうまく持ち上げて「のせて」くださったおかげで、なんとか無事に学位を取得できたのだと思います。「自分は研究に向いていないので、辞めてしまおう」と思ったことも一度二度ではありませんが、現在も創薬研究者のはしくれとして「研究を通じて医療に貢献する」という工学部から医学修士へ進学した際の初志を貫くことができています。

現在は武田薬品工業にて抗癌剤の薬理研究に携わっています。研究所の機構、設備ともに機密情報ばかりであることと、配属後間もないこともあり、近況報告はしたくてもなかなかできないのですが、良い環境で充実した毎日を送れています。中山研初の企業研究者として、創薬研究の道を邁進したいと思います。今後とも宜しくお願いいたします。