個別ミーティングは2〜3人を1グループとして、各グループ週1回行われます。直近で出たデータをもとに,実験方針、データの取り方や解釈、実験ノートの記載状況などについて中山教授から直接指導を受けることができます。データのクオリティや実験の進め方などについて細かいチェックが入り,不十分な点は厳しく指摘されます。また、実験の進め方や研究室での悩み等も中山教授に直接相談できる機会にもなっています。
グループミーティングはラボのメンバー全員が参加し、毎週木曜日の15:00〜18:00に行われます。約一ヶ月の間に集めたデータをスライドにまとめ各自が発表します。それらのデータをもとに,これまでの流れや今後の実験方針などをラボメンバー全員で議論します。実験方針や仮説の立て方、実験方法の選択、データのまとめ方、形式の統一された見やすいスライドの作成方法、わかりやすいプレセンテーションの方法などを学びます。発表する側だけでなく、議論に参加することで、データの理解力や知識量を試されることとなり、科学者として不可欠な論理的思考能力養います。他のメンバーがどのくらいの量の実験をどのようにしてこなしているかを知ることも、生産性の高い研究者として自立するために必要なことです。
ジャーナルクラブは、ラボのメンバー全員に加えて他の研究室メンバーも参加し、毎週火曜日の15:00〜17:00に行われます。担当者は、論文を選び、論文を理解するために必要な基礎知識や論文の背景をまとめて始めの一時間程度でレビューします。読まれる論文は、医学・生物学・生命科学関連の論文の中から、直近で発表されたものの中で最も読むべきと思われる論文がノンジャンルで選択されます。どの論文を選ぶかは担当者に一任されており、研究者としてのセンスを問われます。またレビューをまとめるプロセスで、どのように情報を収集してまとめるか、さらにそれらの情報をどのようにわかりやすく人に伝えるかといった能力を養います。
最後に論文についてのディスカッションを全員で行います。論文の印象や感想、問題点、今後の展開や想定される実験方針などについてさまざまな意見が出され、それを全員で検証していきます。ほとんどの大学院生は、始めのころはついて行くのが大変ですが(ついて行けない?)、回を重ねるごとにだんだんと論文に慣れて行きます。卒業する頃には耳慣れない分野の論文を平気で読みこなし、議論に違和感なく参加できるようになるでしょう。
前述のジャーナルクラブ(論文抄読会)の前に、大学院生・ポスドクが参加して行われます。大学院生たちがfigureを説明していきますが、もちろん論文をきちんと読んでいないと対処できません。間違いがあれば中山教授から訂正の指導があり、論文の内容を理解せずに放置されることはありません(放置してもらえない)。入学したての大学院生たちにとっては大変な作業ですが、研究者として自立するために必須の能力である論文読解力を養うとともに、自分たちの研究分野以外の様々な知識や実験手法を学ぶ場となっています。