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城田松之助教と小林実君が、第3回生命医薬情報学連合大会にて研究発表を行いました。

10月2日〜4日、仙台国際センターにて「第3回生命医薬情報学連合大会」が開催されました。「データ駆動型生命情報科学の挑戦〜次世代型医療への扉を拓く」をテーマに、400名もの参加者が集まる中、当研究室の城田松之助教、大学院3年生・小林実君が発表しました。

発表者:小林君 座長:中山教授
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城田松之先生は、この大会の運営スタッフとして、1年以上も前から準備を進めてきました。
当日は、3件の招待講演、14のセッション、7件の講習会、2件のライトニングトーク、2件のBoF、100件以上のポスター発表を集めて大変な盛り上がりとなりました。特に、学会最終日の午後には公開セッションとして、ある個人のゲノムをシークエンスし、その結果を3名の研究者が解析してその人物の人物像を推定し、そのセッションで本人が登場して結果を審査するという企画を行いました。本セッションは参加した研究者の間で大いに盛り上がっただけではなく、後半では倫理・法・社会的な問題についても議論し、将来のゲノムと社会の関わりを考えるきっかけを提供しました。

城田助教はハイライトトラックで昨年発表した論文について「可溶性タンパク質のアミノ酸配列におけるアミノ酸ペアの一般的な傾向」というタイトルで発表を行いました。水溶液中でうまく折り畳まれるタンパク質を作るためにはアミノ酸の並びにどのような特徴があるかを統計解析をもちいて研究し、その結果、疎水性残基と極性残基がランダムな状態以上に一様に並ぶことが必要だということを見いだし、報告しました。
また、ポスター発表では「ゲノム・mRNA・タンパク質の参照データベースにおける配列比較について」というタイトルで発表しました。現在医学や生物学で必須なものとなっている配列データベースの間で配列に若干の不一致があること、およびその原因が配列決定技術の未熟さと遺伝的多型という二つの原因に起因し、前者は年代とともにだんだん改善しているが後者は時間が経ってあまり改善が見られないということを議論しました。

また、小林君は、胃腸外科に所属し、臨床業務を行いながら、舟山助教の指導の下で研究に励んでいます。今回は、「臨床医からみたバイオインフォマティクス」というタイトルで、次世代シーケンサーのビッグデータを解析するにあたって、バイオインフォマティシャンとどのように連携をとりながら進めていったかについて発表しました。また後半部分では、臨床医が短い研究期間の中でバイオインフォマティクスを扱うことの大変さや、バイオインフォマティシャンとの連携の重要性を、臨床医のアンケート結果を交えながら発表しました。バイオインフォマティシャンが聴衆の9割以上を占める中での臨床医の立場からの発表に対し、会場からはたくさんの質問が寄せられ、大いに盛り上がりました。